月齢や体重だけで画一的に進めるのではなく、保護者、保育者、調理員が連携をとり、乳児の発育・発達、日々の体調等について把握し、個々に合わせて離乳食を提供していく必要があります。子どもの食欲、摂食行動、成長・発育パターン、あるいは地域の食文化、家庭の食習慣などを考慮した無理のない離乳を右記の内容を意識して進めましょう。

  • 食べる意欲を大切にする
  • 個人差に配慮して焦らずに進める
  • 生活リズムを整えるために、決まった時間に離乳食を与える
  • 決まった場所で、楽しくおいしく食べられるように環境・雰囲気を整える
  • 共食を通して、食の楽しさやコミュニケーションを図る
  • いろいろな食品の味や舌触りを楽しみながら食体験を増やすことを目指す

離乳の進め方の目安(歯の萌出、摂食機能、支援のポイント)

 離乳の開始 →  →  →  離乳の完了
    以下に示す項目は、あくまでも目安であり、子どもの食欲や成長・発達の状況に応じて調整する。
 離乳初期
生後5~6か月
 離乳中期
生後7~8か月
 離乳後期
生後9~11か月
 離乳完了期
生後12~18か月






乳歯が生え始める  1歳前後で前歯が8本生えそろう
離乳完了期の後半頃に奥歯(第一乳臼歯)が生え始める。






口を閉じて取り込みや飲み込みができるようになる。

舌と上あごでつぶしていくことができるようになる。

歯ぐきでつぶすことができるようになる。

歯を使うようになる。






ント
  • 赤ちゃんの姿勢を少し後ろに傾けるようにする。
  • 食材はスプーンで舌の真ん中にのせる。
  • 平らな離乳食用スプーンを下唇にのせ、上唇が閉じるのを待つ。
  • つぶした食べ物をひとまとめにする動きを覚え始めるので、飲み込みやすいようにとろみをつける工夫も必要。
  • 丸み(くぼみ)のあるスプーンを下唇の上にのせ、上唇が閉じるのを待つ。やわらかいものを前歯でかじりとらせる。
  • 食事に興味をもちはじめるので、手に持って食べさせてもよい。
  • 手づかみ食べを十分にさせ、前歯で噛みとる練習をする。
  • 食具を使うようになって自分で食べる準備をする。

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」
厚生労働省「保育所における食事提供ガイド」
大阪市こども青少年局「にこにこ~赤ちゃんのために~」
公益財団法人母子衛生研究会「パパと赤ちゃんの離乳食応援BOOK」をもとに作成

離乳の開始と完了の適切な時期

開始時期は生後5 ~ 6か月頃が適当ですが、月齢はあくまでも目安なので、「食べたがっているサイン」等、子どもの様子をよく観察することが大切です。

離乳の完了とは、形のある食べ物をかみつぶすことができるようになり、エネルギーや栄養素の大部分が母乳、育児用ミルク以外の食物から摂取できるようになった状態をいい、その時期は12 ~18か月頃です。離乳の完了は、母乳や育児用ミルクを飲んでいない状況を意味するわけではありません。

離乳については、子どもにはそれぞれ個性があるので、画一的な進め方にならないよう留意します。

 

離乳の進め方の目安(提供時間、食べ方、調理形態等)

  離乳の開始 →  →  → 離乳の完了
  以下に示す項目は、あくまでも目安であり、子どもの食欲や成長・発達の状況に応じて調整する
  離乳初期
生後5~6か月
離乳中期
生後7~8か月
離乳後期
生後9~11か月
離乳完了期
生後12~18か月
回数  1回食  2回食  3回食  3回食+おやつ










(例)

午前6時

 午前6時
 午前6時
 午前7時
午前10時
 午前10時
 午前10時
 午前10時
 午後2時
午後2時
午後2時
  昼食 正午
 午後6時   午後6時
  午後6時
 午後3時
 午後10時   午後10時   午後10時 夕食午後6時
     寝る前

子どもの状況に応じて飲ませる






  • 子どもの様子を見ながら1日1回1さじずつ始める。
  • 母乳や育児用ミルクは、授乳のリズムに沿って飲みたいだけ与える。
  • 1日2回食で食事のリズムをつけていく。
  • いろいろな味や舌ざわりを楽しめるように食品の種類を増やしていく。
  • 食事のリズムを大切に、1日3回食に進めていく。
  • 共食を通じて食の楽しい体験を積み重ねる。
  • 手づかみ食べを勧める。
  • 1日3回の食事のリズムを大切に、生活リズムを整える。
  • 手づかみ食べにより、自分で食べる楽しみを増やす。
調


 なめらかにすりつぶした状態
(ポタージュぐらいの状態)
 舌でつぶせる固さ
(豆腐くらいの固さ)
 歯ぐきでつぶせる固さ
(指でつぶせるバナナぐらいの固さ)
 歯ぐきでつぶせる固さ
(肉だんごぐらいの固さ)


味付けはなし
(素材の味で十分である。昆布だしが使用できる)
ごくうす味に
(味がついているかいないかわからない程度。かつお・煮干のだしも使用できる)
うす味
(食品のもつ味を生かしながらうす味で調理する)
うす味
(食品のもつ味を生かしながらうす味で調理する)

ぶした10倍がゆから始めるぶした10倍がゆから始める



つぶした野菜なども試す



慣れてきたら、つぶした豆腐、白身魚などを試す

全がゆ50~80g 全がゆ90~
軟飯80g
軟飯80~
ご飯80g
野菜
果物
20~30g 30~40g 40~50g
たんぱく質源


又は


又は
豆腐
又は

又は
乳製品

魚:10~15g 魚:15g 魚:15~20g
肉:10~15g 肉:15g 肉:15~20g
豆腐:30~40g 豆腐:45g 豆腐:50~55g
卵黄1個~全卵1/3個 全卵1/2個 全卵1/2個~2/3個
乳製品:50~70g 乳製品:80g 乳製品:100g

厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」
厚生労働省「保育所における食事提供ガイド」
大阪市こども青少年局「にこにこ~赤ちゃんのために~」
公益財団法人母子衛生研究会「パパと赤ちゃんの離乳食応援BOOK」をもとに作成